Classici giapponesi con furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Leggi 南地心中 (なんちしんじゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.205 caratteri · 79 schermate
」
言う――それは事実であった。――
「はい、唯今でこそ申します、御寮人様がまたお意地の悪い。その框へ腰をお掛けなされまして、盆にあんころ餅寄越せ、茶を持てと、この美津に御意ござります。
その上、入る穴はなし、貴女様の召しものの薫が、魔薬とやらを嗅ぎますようで、気が遠くなりました。
その辛さより、犬になってのこのこと、下屋を這出しました時が、なお術のうござりましてござります。」
「ほほほ可厭な、この人は。……最初はな、内証で情婦に逢やはるより何の余所の人でないものを、私の姿を見て隠れやはった心の裡が、水臭いようにあって、口惜いと思うたけれど、な、……手を支いて詫言やはる……その時に、門のとまりに、ちょんと乗って、むぐむぐ柿を頬張っていた、あの、大な猿が、土間へ跳下りて、貴下と一所に、頭を土へ附けたのには、つい、おろおろと涙が出たえ。
柿は、貴下の土産やったそうに聞くな。
天王寺の境内で、以前舞わしてやった、あの猿。どないなった問うた時、ちと知縁のものがあって、その方へ、とばかり言うて、預けた先方を話しなはらん、住吉辺の田舎へなと思うたら、大切な許に居るやもの。