Classici giapponesi con furigana
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なんちしんじゅう
南地心中
泉 鏡花
Leggi 南地心中 (なんちしんじゅう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 39.205 caratteri · 79 schermate
お聞きやす、多一さん、美津さんは、一所に連れずと、一人活かいておきたかった。貴方と二人、人は交ぜず、死ぬのが私は本望なが、まだこの上、貴方にも美津さんにも、済まん事や思うたによってな。
違うたかえ、分ったかえ、冥土へ行てかて、二人をば並べておく、……遣瀬ない、私の身にもなってお見や。」
幽ながらに声は透る。
「多一さん、手を取って……手を取って……離さずと……――左のこの手の動く方は、義理やあの娘の手をば私が引く。……さあ、三人で行こうな。」
と床几を離れて、すっくと立つ。身動ぎに乱るる黒髪。髻ふつ、と真中から二岐に颯となる。半ばを多一に振掛けた、半ばを握って捌いたのを、翳すばかりに、浪屋の二階を指麾いた。
「おいでや、美津さんえ、……美津さんえ。」
練ものの列は疾く、ばらばらに糸が断れた。が、十一の姫ばかりは、さすが各目に名を恥じて、落ちたる市女笠、折れたる台傘、飛々に、背を潜め、顔を蔽い、膝を折敷きなどしながらも、嵐のごとく、中の島籠めた群集が叫喚の凄じき中に、紅の袴一人々々、点々として皆留まった。
と見ると、雲の黒き下に、次第に不知火の消え行く光景。