Classici giapponesi con furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Leggi 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.869 caratteri · 112 schermate
コトンと窓も閉ざされてしまった。
春の夜風が出たのだろう、花木の揺れる幽かな音が、サラサラサラサラと聞こえてくる。
弁才坊は寝たままである。弁才坊は微動さえしない。
だんだん夜が更けて行く。
とまたコトンと窓が開き、一本子供の腕が出た。続いて子供の顔が出た。風船売の少年である。今まで窓の外に立ち、様子をうかがっていたらしい。
と、窓から飛び込んで来た。例によって敏捷猿のようである。足音一つ立てようとはしない。窓から射し込む月の光で、部屋中薄蒼く暈かされている。
「さあてどの辺りにあるんだろう? 手っ取り早く探さなけりゃアならねえ」こんな事を呟いている。「隣部屋に寝ている民弥めに、眼を覚まされては大変だ」こんなことも呟いている。
部屋の一所に書棚がある。で、書棚を探し出した。部屋の一所に机がある。で、机を探し出した。壁に図面が張り付けてある。それを素早く探り出した。部屋の一所に測量機がある。その周囲を探し出した。部屋の一所に鑿孔機がある。それを両手で探り出した。
「ないなあ、ないなあ、どうしたんだろう? どこに隠してあるんだろう? こんなに探しても目つからないなんて、どう考えたって箆棒だよ。