Classici giapponesi con furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Leggi 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.869 caratteri · 112 schermate
それが人手へ渡るのである。二度と持つことは出来ないだろう。二度と逢うことは出来ないだろう。――こう思うと民弥には悲しいのだろう、こう寂しそうに声をかけた。
「かしこまりましてございますよ。大切に扱かうでございましょう。ヘッヘッヘッヘッ帰るや否や、腹を立ち割り胎内の……アッハッハッハッ嘘でございますよ。ナーニ早速よいお家へ、売り渡すことにいたします。と、綺麗なお姫様の、玩具になることでございましょう。いや人形にとりましても、こんな廃屋にいるよりは、どんなにか出世というもので、オット又もや口が辷った。ご免下さい。ご免下さい」
駄弁を弄して猪右衛門は花木の間を大跨に歩き、往来の方へ出て行ったが、ちょうどこの頃森右近丸は、南蛮寺を出外れた四条通りを、考えに耽りながら歩いていた。
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四条通りは寂しかった。人の往来も稀であった。右近丸は歩いて行く。夕陽が明るく射している。家々の蔀が華やかに輝やき、その代り屋内が薄暗く見え、その屋内にいる人が、これも薄暗く暈かされて見える。焚香の匂いなどもにおってくる。
右近丸は歩いて行く。
と、俄に足を止めた。「解った!」と呻くように云ったものである。