Classici giapponesi con furigana
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なんばんひわもりうこんまる
南蛮秘話森右近丸
国枝 史郎
Leggi 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.869 caratteri · 112 schermate
武士姿をした者もあれば、香具師風をした者もある。老人もいれば若者もいる。女も二三人雑っている。
ガヤガヤみんな喋舌っている。
「近来は思わしい仕事がない」
「こう不景気では仕方がない」
「地方へ行かなければならないだろう。都に仕事がないのだから」
「今日も戦、昨日も戦、地方へ行くと戦ばかりだ、若武者の鎧を引っ剥いでも、相当の儲けはあるだろう」
「逃げまどう落城の女どもを引っ攫うのもいいだろう」
突然一人が歌い出した。
※(歌記号、1-3-28)人買船の恐ろしや
するともう一人が後を続けた。
※(歌記号、1-3-28)どうせ、売らるる身じゃほどに
するともう一人が後を続けた。
※(歌記号、1-3-28)しずかに漕ぎやれ船頭殿
人買船の歌なのである。
とその時奥の部屋から女の泣声が聞こえてきた。
「まだあの女は泣いているわい」
「どうせ売られて行く女だ、思うさま勝手に泣くがいい」
昼だというのに部屋の隅に、幾本か紙燭が燈されている。話声を戸外へ洩らすまいと、雨戸を閉ざしているからである。壁には影法師が映っている。床の上では狼藉とした、銚子や皿小鉢が光っている。
綺麗な娘を攫って来て、遠い他国へ売り渡す、恐ろしい恐ろしい人買共の、此処は巣であり会所なのであった。