Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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らんとうばのてんにょ

卵塔場の天女

泉 鏡花

Leggi 卵塔場の天女 (らんとうばのてんにょ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 47.251 caratteri · 94 schermate

Aozora Bunko

」

「それや処がね。まだ見習いで、十分にのうてねえ、くらしはお姑さんが、おもに取仕切ってやもんですから、あんさん、それは酷いぞね――半月おきには、下駄の歯入れや、使いまわしも激しいし……それさえ内へ強請りに来るがね。(母さん十日お湯へ入りません、お湯銭たあせ、)と内証で来る。湯の具までもねえ、すれ切や、(母さん、……洗いがえ買うてたあせ、)とソッと来るし……」

「情ねえ事を云う。」

私も雪代と思わず顔を見合わせた。

「情ないどころではないのですぞ。そのあげくがトラホームや、療治は長びくし、うち中へうつるいうて、今度返されて来たですがね、病院へ遣ろうにも、それでのうてさえ、内も楽どころではない処へ。」

「もん句は亭主に言えよ、亭主に。」

八郎の声はやや苛立った。

「それを言うたかてねえ、出来るようなら可いのですけれどもねえ。」

「きみの亭主にだよ、娘の事だ。――いや婿にだよ、誰がそんな事を知るもんか。」

「そう、もぎどうに言わいでも。」

お久という人はまた袖を顔に当てた。

「私にかて、私にかて――生れてから、まだただ一日も、一日どころか一度でも、親身の優い言葉ひとつ聞いた事のない私に――こんなに思いに思うて、やっと逢ったのに、」