Classici giapponesi con furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Leggi 反抗 (はんこう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.121 caratteri · 282 schermate
」と云って、横田はまた蓮鉢の中を覗き込んだ。「見事な鰻だろう、君。これを君に御馳走しようと思って待ってた所なんだ。」
周平はそれを辞退するわけにゆかないような気がした。
鰻はすぐに、近所の魚屋の手で割かれた。それを保子と女中とで、避暑地から覚えてきた通りにして焼いた。金網の上でじりじり焼かれる匂いが、座敷の方まで漂ってきた。庭の蓮鉢にはまだ、半数ばかりが二三日の余命を残されていた。
「何だか残酷ですね。」と周平は云った。
「然しね、」と横田は答えた、「蒲焼になったのを見ると、生きてた時とは全く別なものという感じしかしないよ。魚でも野菜でもそうだが、料理はそのものに対する感じを、本質的に変化させるようだね。」
実際、やがて食膳に上せられた蒲焼には、生きてた時の鰻の感じは殆んど残っていなかった。周平は変な気がした。変だといえば、横田や保子や隆吉などに対しても、変な気がしてきた。先刻まであんなに苦しんできた問題が、いつのまにか底の方へ隠れて、平和な晩餐の気が座を支配していた。横田はちびりちびり杯をなめていた。保子は火にほてった顔を輝かしていた。隆吉は旨そうに蒲焼をしゃぶっていた。