Classici giapponesi con furigana
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はんこう
反抗
豊島 与志雄
Leggi 反抗 (はんこう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.121 caratteri · 282 schermate
今迄自ら押隠していたが、もはやどうにも出来なくなった、その一事だった。
彼はしみじみとした涙と苛立った憤りとを、同時に感じた。今後のことを考えると、暗い穴にでも陥るような気がした。
十八
翌朝、周平は遅く迄寝ていた。眼が覚めた時は、障子にぱっと日の光りがさしていた。眠ってるうちに女中が雨戸を開いてくれたものらしい。彼は室の中のだだ白い明るみを暫く眺めていたが、眼の底が熱くなるのを感ずると、頭から布団を被ってしまった。自分は保子を恋したのだ! 昨晩ふと考え及んだその一事が、しつこく頭に絡みついてきた。凡てがその一事に圧倒され終るような気がした。
迷霧の中を辿ってるような心地で、いつしかうとうととしてると、階段を上ってくる足音が遠くに聞えた。それがはたと止んで、あたりがひっそりとなった。長い間のようだった。と俄に、喫驚するほどすぐ近くに、張りのある保子の声が響いた。
「井上さん、まだ寝てるの。お起きなさいよ。もう何時だと思って?」
周平は黙っていた。
保子は周平の枕頭の押入をあけて、何かをしきりに探しているらしかった。暫くすると、彼女は押入の襖をぴたりと閉めた。