Classici giapponesi con furigana
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とりかえしものがたり
取返し物語
岡本 かの子
Leggi 取返し物語 (とりかえしものがたり) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.882 caratteri · 28 schermate
おや、またしてもわたしの取越苦労。「忘れまいぞえあのことを」「忘れまいぞえあのことを」何も時節因縁と諦めてしまえば、それで済むのだが。と言う口の下から、もう此の逢い度い心は、……ええ、も、いっそ、今日は、お上人さまにお目にかかるのはやめてしもうて、源兵衛さんに逢う一筋に骨を折ってみましょう。お上人さまはお師匠さんでも根は他人、源兵衛さんはわたしの夫。源兵衛さんに逢わずに往んでは、それこそ此の胸が焼け尽してしまうわ』
(おくみ、決心してすっくと立上る。いつの間にか蓮如上人弟子の竹原の幸子坊一人供につれ、上手奥より出て来て様子を見て居たが、おくみが立上る途端に上人は進み出て)
蓮如『おくみ、そりゃわしより源兵衛に逢うて行くがよい。わしは汚ない年寄りじゃものなあ』
(おくみ、びっくりして、それが蓮如上人だと判ると、がばと突き伏す)
おくみ『まあ、お上人さま。わたくしは恥しゅうて顔もあげられませぬ。お人の悪いお上人さま。立聴きなぞなされて』
蓮如『は、は、は、は、まあ、そう恥しがらんでもよい。恋も因縁ずく。勧めもせられん代りに障げもせられん。ただ忘れてならぬのは六字の名号じゃぞよ』