Classici giapponesi con furigana
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ふるきミニエチュア
古き小画
宮本 百合子
Leggi 古き小画 (ふるきミニエチュア) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 70.298 caratteri · 140 schermate
スーラーブは、傍に坐って、小刀を研ぎながら話をするシャラフシャーに、子供らしい遠慮を以て訊いた。
「ねえ、シャラフシャー、この間卿、祖父様はナディーというひとの子だと云ったろう?」
シャラフシャーは、仕事から注意を奪われず真面目な声で答える。
「左様です」
「――スーラーブの父上は何という名?」
シャラフシャーは、答えない。
五
四辺には、刃物が砥石の上を滑る音が眠たく響く。
スーラーブは、シャラフシャーが沈黙しているのを知ると別な方面から、問いを進めた。
「シャラフシャー、父上のいないのは、悪いことなのかい?」
「悪いことではありません。祖父様のおっしゃったのは」シャラフシャーは、刃物の切味を拇指の腹で試し、正直な、心遣いの籠った眼で、小さく胡坐(あぐら)している自分の主人を見た。
「貴方が、一生懸命、戦士の道を修業して、サアンガンの王のまことの父である大神ミスラに見棄てられないようにしなければならぬ、ということであったのです」
スーラーブは、暫く腑に落ちない顔をして黙った。何処かに、はっきりしない処のあるのは感じる。けれども子供の頭脳は、そこに条理を立てて、もう一歩迫ることが出来ない。