Classici giapponesi con furigana
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ふるきミニエチュア
古き小画
宮本 百合子
Leggi 古き小画 (ふるきミニエチュア) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 70.298 caratteri · 140 schermate
人馬の騒音は八方に満ちているが、それぞれの形がぼんやり薄闇にくるまれているため、遠い、自分とは無関係な物音のように感じられる。
スーラーブは、草の匂う高地の斜面を登りながら、肉体の疲労よりは心の疲れを強く感じた。それも、天幕に行き、ゆっくり一盃酒でものめば癒る種類のものではなかった。自分の目的は、はっきり目の前にあるのに、曖昧な、ちぐはぐな何ものかで遮られ、一思いにそこに至れない歯痒さ、焦立たしさが彼の感情を重くしているのであった。今日の一騎討ちの結果についてもスーラーブは、余り後口のよい気持ではなかった。慧眼な傍観者は、確に、自分が対手を倒した時と、立ち上った時との間に、充分剣をぬき始末をつける余裕のあったのは認めているだろう。躊躇したのも見たろう。意識して対手を助けようとしたと云われても、スーラーブは、その点を明瞭に説明する言葉が自分にないのを自覚した。父の連想があるので、何んともいえず組敷かれた敵の年寄りをあわれに思ったということはある。けれどもあの瞬間、自分の心に、助けようという、はっきりした意志はなかった。殺しきれないうち、局面が変ったのだ。