Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こきんしゅうまきのご

古今集巻之五

山本 周五郎

Leggi 古今集巻之五 (こきんしゅうまきのご) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.482 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

直接、領民の生活に触れる者なら、現実になにが必要であるか、ということがわからない筈はないし、わかれば実情に則った方法をとるだろう。それが政治にあずかる者の最小限の責任ではないか、と思っただけであった。……だが、国許へ帰る旅中、彼は若い藩主の気持に対して、少しずつ考えが変っていった。父は自分が責任を負って、よしと信ずる手段をとった。家禄削減も役目の罷免も、むろん承知のうえのことだったろう。しかし、十年の余も経ってから、若い播磨守がみずからそれをしらべ、改めて父の功を挙げる、ということはそうざらにあるものではない。

――そうだ、と主計は自分に云った。父のやったことよりも、このことのほうが困難であり尊いことかもしれない。

自分よりはるかに若い藩主に、それだけの情熱があったということは、主計の心を深く揺り動かさずにはおかなかった。そうだ、もうこのへんで立ち直らなければなるまい、と彼は思った。

それにもかかわらず、国許へ帰り、自分の家におちつくと、主計はまた妻の死にひき戻された。そうして、妻の自殺した理由をつきとめない限り、本当に立ち直ることはできない、ということを認めた。