Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふるむじな

古狢

泉 鏡花

Leggi 古狢 (ふるむじな) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.891 caratteri · 40 schermate

Aozora Bunko

「町子嬢、町子嬢。」

「は。」

と頸の白さを、滑かに、長く、傾いてちょっと嬌態を行る。

「気取ったな。」

「はあ。」

「一体こりゃどういう事になるんだい。」

「慈姑の田楽、ほほほ。」

と、簪の珊瑚と、唇が、霞の中に、慈姑とは別に二つ動いて、

「おじさんは、小児の時、お寺へ小僧さんにやられる処だったんだって……何も悪たれ坊ッてわけじゃない、賢くって、おとなしかったから。――そうすりゃきっと名僧知識になれたんだ。――お母さんがそういって話すんだわ。」

「悪かったよ。その方がよかったんだよ。相済まなかったよ。」

今度は、がばがばと手酌で注ぐ。

「ほほほほ、そのせいだか、精進男で、慈姑の焼いたのが大好きで、よく内へ来て頬張ったんだって……お母さんたら。」

「ああ、情ない。慈姑とは何事です。おなじ発心をしたにしても、これが鰌だと引導を渡す処だが、これじゃ、お念仏を唱えるばかりだ。――ああ、お町ちゃん。」

わざとした歎息を、陽気に、ふッと吹いて、

「……そういえば、一昨日の晩……途中で泊った、鹿落の温泉でね。」

「ええ。」

「実際、お念仏を唱えたよ、真夜半さ。」

「夜半。」

と七輪の上で、火の気に賑かな頬が肅然と沈んだ。