Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こせんのなぞ

古銭の謎

野村 胡堂

Leggi 古銭の謎 (こせんのなぞ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.885 caratteri · 26 schermate

Aozora Bunko

「何んにも」

今まで黙って聞いて居た浩一郎は、この時二人の言を障って、

「あります、たった一つ、あの古銭と鍵」

「それは何んです」

南老人が聞きとがめると、左京執事は引取って、

「私からお話しましょう、これは一向つまらないものですが……主人が行方不明になる少し前、浩一郎さんと私と、あの陽子さんを呼んで、一つの手箱を渡しました、(私に万一の事があったら、これを開け……)とこういう命令です。行方不明になって、一ヶ月ばかり後、この事を思い出して、金庫の中から預ってある手箱を出し、三人立会の上、あけて見ると、中からは不思議な品がたった二つだけ出て参りました。一つは陽子殿へと札が付いて、柄の端が輪になって、先へ刀のように少し広くなり、四寸ばかり延びて真角に切れて居る、銅で作った古代支那の貨幣で、一つは浩一郎殿へと書いて、銀で作った、可愛らしい鍵です。ところで、その古銭と鍵は、どこへ使うものか、何んの足しになるものか、少しも解りません」

「フン、面白いな、浩一郎さん、その鍵というのを、一寸私へ借して下さらんか」

浩一郎は、母親と左京の顔を見比べましたが、別に反対する風も無いので、時計の鎖から外して、銀の小さい鍵を、南老人の手の上に載せてやりました。