Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.431 caratteri · 428 schermate
それにしても、わざわざでけえ音をたてるこたあねえんじゃござんせんか。寝ている化け物までが目をさましますぜ」
「さましてほしいから、わざと、音をたてるんだよ、な、ほら、こういうふうにしてへえるんだ」
いいざまに、がたぴしと戸を繰りあけて、鼻先をつままれてもわからないようなまっくらな座敷へどんどんと上がっていったものでしたから、伝六はとり残されたらたいへんとみえて、必死と右門のそでにしがみつきながら、あとを追って中にはいりました。
同時のようにぷんと鼻をつくものは、あのとき職人のいったように長いこともう住み手がなかったとみえて、あき家特有の湿気をふくんだかびのにおいです。それが文字どおりの深夜だからまた格別で、承知をして来たものの右門も少々ぞっとするくらい――と、いっしょに、ぎゃあ、という変な声が、不意に縁の下から聞こえました。つづいて、おぎゃあ、おぎゃあと三声ばかり……。
「だ、だ、だんな! 出ましたよ、出ましたよ」
しかし、右門はすましたものでありました。
「今度はどこかな」
小声でつぶやきながらゆうゆうと蚊やりに火をつけたもので、そのすりつけ木の火なるものがまためらめらと青く燃えて、それがぼうっとやみの中にぼかしたあかりを見せましたものでしたから、いよいよ屋のうちは陰にこもってまいりました。