Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 220.431 caratteri · 428 schermate
それッ。おのおの、ぬかりたまうな! 城内要所要所の配備におんつきそうらえ!」
すわ、事おこりしと見えましたので、家老とおぼしき者の叫びとともに、どッと城中が騒乱のちまたに化そうとしたとき――だが、そこへいま没落した床の下の抜け穴らしいところから、ぬうと現われてきたひとりの怪しき男の姿があったのです。手に手にともしたあかりのまばゆい光でよくよく見ると、これは意外! その男こそはだれあろう、あの老人の怪しきさるまわしでした。四日まえの晩からお城下の羽生街道口に陣取って、怪しの別なさるまわしから椎の実をうけとり、かき消すように姿をかくしたあの老人のさるまわしでした。
「それッ、あいつだ! くせ者はあの者だ! めしとれ! めしとれッ」
むろん、下手人はそれにちがいないことがわかりましたので、さっと左右から家臣の者が迫ろうとすると、しかし意外! さらに意外! 老人の曲がった腰はまずしゃっきりと若者のごとくに伸び直り、そして悠揚とそこの泉水で面を洗うと、りりしくもくっきりとした美丈夫の姿と変わったのです。と同時でした。たち騒いでいる人々の中から鉄砲玉のように飛んできて、すがりつくようにいった声がありました。