Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.558 caratteri · 480 schermate
同時です。名宰相伊豆守と名人右門との胸から胸へ、腹から腹へ、言外になぞを含ませた直訴お聞き届けのその応対をきいてにわかに気力がうせたか、年老いた訴人は、最後の悲痛な、しかし満足げな微笑をただ一つ残すと、がっくり雪の道にうっ伏して、そのまま落ち入りました。
「おみごとじゃ。ご老人、安心して参られよ。なんの願いか知らぬが、訴状は右門しかと預かり申した。必ずともにお力となってしんぜまするぞ」
見ながめるや、時を移さずにじり寄って叫びささやきながら、すばやく訴人の手から直訴状をぬきとって懐中すると、待ち構えていた小者たちのところへ目まぜが飛びました。同時に、五、六名がはせつける。一瞬の間にむくろが取りのぞかれる。清めの塩花が道いっぱいにふりまかれて、ふたたび清らかに箒目のたてられたお成り道へ、
「堀丹羽守様ア――」
「太田摂津守様ア――」
「石川備中守様ア――」
声から声がつづいて、待ちうけていたお跡参りの乗り物があとからあとからと、洪水のように流れだしました。――目だたぬように名人はすばやく下乗札の陰に身を引くと、静かに直訴状を取り出して押し開きました。同時に、目を射た文字が、じつに不審なのです。