Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.558 caratteri · 480 schermate
子を思う親の心は上下みな一つと存じ候。お取り上げこれなきをさらさらお恨みには存ぜず候えどもご政道に依怙のお沙汰あるときは天下乱る。
ご賢察奉願上候。
芝入舟町甚七店 束巻師 源五兵衛
謹上
墨痕あざやかに書かれてあったのは、右のような不思議きわまりない幾文字かでした。かりにもご禁制のおきてを犯してあまつさえ一命を投げ捨ててまでも直訴するからには、少なくももっと容易ならぬ文言を連ねておくのが普通であるのに、ご賢察奉願上候とあっさり訴えてあるのです。
何のなぞ?
何の直訴か?
不審なその訴状を見ては、いかな名人右門もはたと当惑するだろうと思われたのに、いつもながらじつにおそるべき慧眼でした。上から下とすらすら読み下すや同時に、早くもなにごとか看破するところがあったとみえて、さわやかな微笑をほころばせながら、静かに下馬札の陰から姿を見せると、群れたかる黒山の群衆を望んで、しきりと何者かを捜し求めました。せつなです。
「あっしですかい! あっしですかい! え? だんな。お捜しになっているのはあっしでしょうね。まだかまだかと、しびれをきらして待ってたんだ。