Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.558 caratteri · 480 schermate
大またにすたすたと裏小路へ抜けて、金看板のむっつりぶりもあざやかに、一路目ざした方角がまたじつに意外でした。何を訴えた訴状であるか、直訴の的はどこにあるか、なぞを解くならまず第一番に訴人が住まいの入舟町へはせつけて、そこから先に手を染めるのが事の順序であろうと思われたのに、奇怪にも目ざした道はまがうかたなく数寄屋橋のあのお番所なのです。
「ああ、くやしい。くやしすぎて目がくらみやがった。どうせね、え、え、そうでしょうとも。どうせあっしなんぞはね――」
ようやく追いついた伝六が、よくよくくやしかったとみえて、陰にからまりながら鳴りだしたのは無理のないことでした。
「どうせそうでしょうよ。え、え、そうでしょうとも、どうせあっしなんぞは血のめぐりもわりいし、いつまでたっても人前で恥をかかされるようにできた人間なんだからね。さぞやだんなはあっしに赤っ恥をかかせていい心持ちでしょうが、それにしても場合というものがあるんだ。場合がね、え? だんな!」
「…………」
「くやしいね。どれだけいやがらせをしたらお気が済むんですかい。ちっとはあっしの身にもなってみるといいんだ。