Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Leggi 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.558 caratteri · 480 schermate

Aozora Bunko

「あけてみろ」

命令とともに、伝六がおそるおそるあけてみるやいなや、名人もろとも、あッと声をたてました。血のにじみ出ていたのも道理、中から出たのはまさしく人のなま指なのです。それも小指なのだ。あきらかに歯で食い切った男の小指なのです。

「なぞはこれだな。みせい、みせい」

ぶきみもかまわずに取りあげて見調べていましたが、とたんに名人のさえまさった声が放たれました。

「まさしく、役者の指だ。つめの間をみろ。おしろいがしみ込んでいるじゃねえか。江戸五郎の一枚絵にこれを供えてあるたア、二三春も存外の知恵巧者だぜ。行く先ゃ奥山だ。奴凧のようになってついてきな」

紙ごと小指を懐中すると、ひた急ぎに急いだ先は、真夏の真昼の焼きつける暑さもなんのそのと、今が人の盛りの奥山の、見せ物小屋が軒を並べたその一郭です。しかも、ずかずかとはいっていったところは、水芸若衆歌舞伎と大のぼりの見える江戸屋江戸五郎の小屋でした。

「ちょっと、ちょっと。こんな人けもねえような小屋に、なんの用があるんです。鬼娘じゃあるめえし、食い切った小指の詮議なら、江戸五郎は見当ちげえじゃござんせんかい。