Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 241.558 caratteri · 480 schermate
――同時に、まばたきもせず見守っていた名人の口から一言、沈痛な声が放たれました。
「みごとじゃ。泥斎、安らかに参れよ!」
はっと折り曲げたように首をたれると、二筋、三筋、そのほおにしずくの流れをおとしました。――ほっとわれに返って、伝六もいったものです。
「えれえ! さすがはお江戸の名人と名工だ。火をかぶった泥斎もえれえが、じっと見ていただんなもみごとだね。しいーんと身の内が締まりましたよ」
「感心している場合じゃねえや。この人形たいせつに持って、すぐに伊豆守様のお屋敷へいってきな。――直訴のなぞは、この青焼き人形でござります。恐れながら、これには三人の人の命がこもっておりまするゆえ、末長くご秘蔵願わしゅうござりますと、ご用人さまにお取り次ぎお願いしてな。羽織はかまで今からすぐ献上に行ってきなよ」
「なるほど、そつがねえや。名工と名人が世に出したこの青人形が、名宰相さまのお手もとに納まりゃ、仏も人形も浮かばれましょうよ」
泣き伏している粂五郎をあとにしながら、必死と青人形をかかえ持って駆けだした伝六の背に、ちらりほらりと江戸雪がもの悲しげに散りかかりました。