Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 221.941 caratteri · 435 schermate
それも帰ってくると、いまさら江戸の地図なぞを調べて、なんのたしになるかと思われるのに、あちらへこちらへと何本も赤い線を引きつつ、しきりにながめ入っていたものでしたから、またお株を始めたのは伝六でした。
「ちぇッ、がみがみいうまいと思っても、これじゃかんしゃくの起きるのがあたりまえじゃござんせんか。だましたり、すかしたり、うれしがらしたり、かついだり、さんざにおいだけをかがしておいて、奥山の見せ物小屋はいったいどこへひっこしたというんですか! ぽッと出のいなか与力じゃあるめえし、ちゃきちゃきの江戸のだんなが、いまさらおひざもとの絵図面に見とれるがところはねえじゃござんせんか。そうでなくとも、あば芋のやつにしてやられて腹がたっているのに、あんまり人をおなぶりなさると、今度こそは本気にすねますぜ!」
しかし、右門は馬耳東風と聞き流しながら、しきりと丹念に町から町へ朱線を入れていましたが、と――、不意に莞爾と笑みをみせると、気味のわるいことをぽつりといいました。
「な、おい、伝六大将! 今夜は指切り幽霊、日本橋の本石町と神田の黒門町へ出没するぜ」
「えッ。不意に御嶽さまでも乗りうつったようなことをいいますが、支倉屋で売る絵図面の中には、そんなことまでが書いてあるんですかい」