Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 221.941 caratteri · 435 schermate
「髪の毛だけでもあんまりうれしい詮議じゃねえのに、薄気味のわるい黒ねこのお供で、なにもこんな夜よなかお出ましにならなくたってよかりそうなもんじゃござんせんか。癇のせいで、そんないやがらせをなさるんでしたら、もういっさいそまつな口あききませんから、あしたの朝にしておくんなせえましよ」
「悲鳴をあげるな。きさまのまたぐらにゃ、人並みに度胸袋がぶらさがっていねえのか。夜が夜中だろうといつだろうと、こいつあ捨ておけねえとにらんだら、それがご番所に禄をはむ者の役目じゃねえか、しっかり度胸袋に活でも入れて、辰といっしょにねこを見張りながらついてきなよ」
飛びついてとられないように髪の毛を堅くこわきにすると、さっさと表のほうに出ていったとみえましたが、どこへ何をしにいこうというのか、奇態なことに道を神田めがけて選びました。
2
出るといっしょのように、ポツリ、ポツリと、えり首を見舞ったものは、このごろの青葉どきにはつきものである降りみ降らずみのさみだれです。さみだれの降るところ、決まってまたついてまわるものは、俗に幽霊風ととなえるあのぬんめりとした雨風で、しかも時刻は森羅万象ものみなすべてが、死んだような夜中の九ツ下がり――。