Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

Leggi 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 221.941 caratteri · 435 schermate

Aozora Bunko

これがバカの小知恵というやつじゃ。なまじりこうぶって、こんなものの下張りに張り込んでおくから、余人は知らず右門の目にかかっては、隠しきれなかったのじゃ。さ! 神妙に申し立てろッ」

だが――、かく歴然と現品は剔発されているのに、この期に及んで鳶頭の金助は、その不敵無類なつらだましいが物語っているごとく、がんとして口をとじたままでした。それも犯行を自白しなかったばかりでなく、何がゆえにかような品を盗み出すにいたったか、石のごとくに無言でありました。

「たとえ口がさけても、このことばかりは断じて申されませぬ!」

ただひとこといったきり、江戸っ子魂の意地の強さを眉宇にみなぎらしながら、厳として緘黙したきりでしたから、当然の帰結としてなんびとにもただちに想起される問題は、拷問火責めの道具ばかりとなりました。

けれども、余人は知らずわがむっつり右門の得意としたところのものは、拷問火責めの荒道具を用いざるところにあったはずです。そのかわりに、たぐいまれな、安物でない明知という武器が残っていたはずでありました。さればこそ、そのときはからずもかれの胸中に思い出されたものは、生島屋の七郎兵衛が、特に右門ならばというように、念を押したあの一条のいぶかしい記憶でありました。