Classici giapponesi con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Leggi 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) di 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 167.105 caratteri · 337 schermate
「そなた、女中だな!」
「…………」
「返事をせい! 返事を! 口はないのか!」
だが、黙ってぶるぶると震えているばかりでした。
「唖か!」
「…………」
「唖かといってきいているんだ。耳が遠いのか!」
いいえ、というように首をふると、不思議です。恐ろしいものをでも教えるように、黙って女がそこの小机の上を指さしました。
歩みよってのぞいてみると、なぞのように紙片が一枚ぽつねんとのせてあるのです。
しかも、それには容易ならぬ文字が見えました。
「いまさらとやかく愚痴は申すまじく候。夫を恥ずかしめ候罪、思えばそらおそろしく、おわびのいたしようもこれなく候あいだ、せめてもの罪ほろぼしに、わたくしことも今より夫のおあとを追いまいらすべくそろ。万事はあの世へ参り、なき甚吾様にじきじきおわびいたすべく候まま、このうえわが罪の折檻は無用にござ候。あとあとのことはよろしく。取り急ぎ候ため、乱筆の儀はおんゆるしくだされたく候。――こよ」
あて名はない。
しかし、まさしく遺書です。
わたくしことも今より夫のおあとを追いまいらすべく候としてあるのです。万事はあの世へ参り、じきじきにおわびいたすべく候ともしてあるのです。