Classici giapponesi con furigana
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よしだしょういん
吉田松陰
徳富 蘇峰
Leggi 吉田松陰 (よしだしょういん) di 徳富 蘇峰 (とくとみそほう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 135.622 caratteri · 269 schermate
廟算上に定らざれは、驚慌下においてさらに甚し。当時の事情を記するもの曰く、
この時浦賀その外海岸諸家の陣屋より昼夜を分たず注進の汗馬、海陸飛脚の往来櫛歯を挽くよりも忙がわしく、江戸の大都繁華の巷も俄に修羅の衢に変じ、万の武器、調度を持運び、市中古着商う家には陣羽織、小袴、裁付、簑笠等をかけならべ、鍛冶を業とする者は家毎に甲冑、刀槍を鍛え、武器商う店には古き武器を累ねてその価平時に倍せり。海辺に家宅ある士民、老幼婦女の立退かんとて家財雑具を持運ぶ様、さしもにひろき府下の街衢も、奔走狼狽して錐を立つべき処もなし。訛言随って沸騰し、人心恟々として定まらず。
如何に大狼狽したるよ。元和偃武以来、蔵めて鞘にありし宝刀も、今はその心胆と共に錆びて、用に立つべきもあらず。和といい、戦という、共にこれ俳優的所作に過ぎず。独り封建社会の継児たる智勇弁力の徒が指点して待ちたる動乱の機は来れり。上に太息せる陳勝、爼辺に大語せる陳平、窮巷に黙測する范増、上の書を玩味する子房、彼らが時は既に来れり。舞台変ずれば役者もまた変ぜざるべからず、今や変ずべきの時は来りしなり。松陰の如きまたその一人のみ。