Classici giapponesi con furigana
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きらこうずけのたちば
吉良上野の立場
菊池 寛
Leggi 吉良上野の立場 (きらこうずけのたちば) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.369 caratteri · 24 schermate
後から来た男が、襟首を掴んで、引きずろうとした。
上野は、
(主も無茶なら、家来も無茶なことをする連中だ)と感じたが、恐怖に心臓が止りそうで声が出なかった。そして、ずるずると引きずられて出た。
「やあ! 白綸子を着ている」
外で待っていた一人がいった。誰かが、呼子の笛を吹いた。
(白綸子を知っている。何も物事がわからんくせに、白綸子だけを知っている。わしはどうして浅野主従のために、重ね重ねひどい目に遭うのか)
上野は混乱した頭の中で、
(わしは内匠頭に殿中で斬られたために、強欲な意地悪爺のように世間に思われた。わしの方が何か名誉回復のために仕返しでもしたいくらいだ。それだのに、わしが前に斬られかけたということが、なぜ今度殺される理由になるのか。まるきり物事があべこべだ)
人々が黒々と集って来た。
小肥りの、背のあまり高くないのが来ると、
「大夫、どうも上野殿らしく!」と、一人が丁寧にいった。
(これが、大石か)と、上野が思ったとき、
「傷所を調べてみい」
二、三人が手早く肩を剥き出して、手燭をさしつけた。
「あります」
大石は、頷くと、雪の中へ膝を突いた。上野は、おやっと思いながら、ちらっと見ると、