Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうほう

同胞

豊島 与志雄

Leggi 同胞 (どうほう) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.713 caratteri · 32 schermate

Aozora Bunko

背中にさす春日がぽかぽか暖いわりに、地面を流れる空気が妙に薄ら寒かった。

「じゃ此度は屹度、君の方からやって来るか手紙をくれるかするね、屹度。」

「ええ屹度します。よく考えてから……。」

茂夫は一つ丁寧にお辞儀をして、大塚行きの電車に飛び乗った。恒夫は上野の家まで歩いて帰った。

何を考えることがあるんだろう……と恒夫は思った。然し茂夫の方が自分よりは、いろんなことを多く知っており、いろんなことを深く考えていて、ずっと豪いようにも思われた。憂鬱な顔をしたり大人びた言葉使いをしたりするのは、そのためかも知れなかった。……が、それは非常に淋しいことだった、心惹かれる淋しいことだった。

家に帰ると、風邪をこじらして寝ついてる祖母の所に、丁度医者が見舞って来ていた。

「お祖母さん、もう桜の花が咲いていますよ。」と恒夫は不満そうに云った。

火鉢の上の洗面器から立昇る湯気の向うから、祖母はしょぼしょぼした眼で見返した。その様子が、恒夫には何だか親しみ薄く感ぜられた。

恒夫は茂夫に逢うのをしきりに待った。茂夫の広い高い額とその下の上目がちな小さな眼とが、頭の中にまざまざと残っていた。