Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate

Aozora Bunko

真っ黒の大浪がうねりをなし、小山のように寄せたかと思うと、船はキリキリと舞い上がった。

「助けてくれえ!」

と叫ぶのは、胴の間にいる乗客達であった。

と、この時、朗々たる、謡の声が聞こえて来た。

神か鬼神かこの中にあって、悠々と謡をうたうとは! 暴風暴雨を貫いて、その声は鮮かに聞こえ渡った。

「誰だ誰だ謡をうたうのは!」

「偉えお方だ! 偉えお方だ!」

「偉えお方が乗っておいでになる! 船は助かるぞ助かるぞ!」

「ヨイショヨイショ! ヨイショヨイショ!」

ふたたびかこの声は盛り返した。その声々に抽んでて、謡の声はなおつづいた。

船が銚子へ着いたのは、その翌日のことであった。

「主知らずの別荘」の別荘番

「オイオイ若いの。オイ若いの」

※(歌記号、1-3-28)かくばかり経高く見ゆる世の中に、羨ましくも澄む月の、出汐をいざや汲もうよ……

「オイオイ若いの。オイ若いの」

※(歌記号、1-3-28)影はずかしき我が姿、忍び車を引く汐の……

「うなっては困る。うなっては困る」

「誰もうなってはいないではないか」

「お前の事だ。うなっては困る」

「おれは何もうなってはいない」