Classici giapponesi con furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate
「やかましいからよ。うなるのでな」
「ははあ、それでは謡のことか」
「うん、そうとも、他に何がある」
「我がままな奴だな。こういってやれ。ここは銚子獅子ヶ岩、向こうは荒海太平洋だ。あたり近所に人家はない。謡おうとうなろうと勝手だとな。その旦ツクにいってやれ」
「うんにゃ、駄目だ。おれが叱られる」
「よかろう。勝手に叱られるさ」
「おれが困るよ。だから頼む。……第一声が透り過ぎらあ。洞間声っていう奴だからな」
「洞間声だって? こいつは助からぬ。アッハッハッハッ、いや面白い」
「面白くはねえよ。面白いものか。叱られて何んの面白いものか」
「よっぽど解らずやの旦那だな」
「フン、何んとでもいうがいいや」
「いったい誰だ? お前の旦那は?」
「お金持ちだよ。大金持ちだ」
「金があっても趣味がなければ、馬や牛と大差ないな」
厳重を極めた別荘普請
「だがお前の主人というのは、いったいどこに住んでるのか?」
「お前さんそいつを知らねえのか」
「知らないとも、知る訳がない」
「だが、やしきは知ってる筈だ」
「お前の主人のやしきをな?」
「うんそうさ、有名だからな」
「いいや、おれはちっとも知らない」