Classici giapponesi con furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate
木立ちを出ると小広い空地で、戦いよさそうに思われた。左手を見れば長廊下で、出邸の一つに通じていた。右手を見ても長廊下で、また別の出邸に通じていた。空地を突っ切ると本邸で、戸にさわると戸が開いた。と眼の前に長い廊下が、一筋左右に延びていた。耳を澄ましたが人気はなく、ただ薄赤い燈火が、どこからともなくさしていた。「ともしがさしているからには、どこかに人がいなけりゃあならねえ」で次郎吉はその廊下の、右手の方へと忍んで行った。すぐに一つの部屋の前に出た。これぞお艶の部屋なのであったが、今夜は誰もいなかった。で次郎吉は引き返そうとした。
しかし何んとなく未練があった、で、しばらく立っていた。
森田屋一味の赤格子征め
しかるにこの頃暗い暗い、銚子の海の一所に数隻の親船が現われた。森田屋一味の海賊船で、赤格子ぜめに来たのであった。すなわち彼らの根拠地から、用意万端ととのえて、総勢すぐって二百人、有司の鋭い警戒網をくぐり、ここまでやって来たのであった。……親船は岸へ近づいて来た。やがて碇を下ろしたとみえ、ゆたかに海上へ漂った。と小船が無数に下ろされ、それが一斉に岸へ向かって、さながら矢のように漕ぎ寄せられた。