Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate

Aozora Bunko

「賊と鼓? 賊と鼓? この二つの間には、何らか関係がなくてはならない」まずここから初めたものである。で彼は何より先に、鼓に関する古い文献を、多方面に渡って調べたが、鼓と賊との関係について、記録したものは見つからなかった。そこで今度は方面を変え、鼓造り師や囃し方や、鼓の名人といわれている、色々の人を訪問し、この問題について尋ねたが、やはり少しも得るところがなかった。

「昔の有名な大盗で鼓を利用したというようなものは、どうも一向聞きませんな」誰の答えもこうであった。

「一人ぐらいはございましょう!」平八が押してたずねても、知らないものは知らないのであった。

「残念ながらこれは駄目だ」平八老人は失望したものの、

「小梅で聞いた鼓の音、何んともいえず美音であったが、いずれ名器に相違あるまい。それを鼓賊が持っているとすると、盗んだものに違いない。よしよしこいつから調べてやろう」

また訪問をやり出した。鼓造り師、囃し方、鼓の名人といわれる人、各流能楽の家元から、音楽ずきの物持ち長者、骨董商というような所を、根気よく万遍なく経めぐって「鼓をご紛失ではござらぬかな?」こういって尋ねたものである。