Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

Leggi 名人地獄 (めいじんじごく) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.286 caratteri · 301 schermate

Aozora Bunko

「なに。……いやいや。……まずさよう。……が、一層こういった方がいい。鼠小僧に相違ないと、かつて私が目星をつけ、あべこべに煮え湯を呑ませられた、ある人間の足跡が、ここにはっきりついているとな。――とにかく順を追って話して見よう。第一番にこの足跡だ。わらじの先から裸指が、五本ニョッキリ出ていたと見えて、その指跡がついている。この雪降りに素足にわらじ、百姓でなければ人足だ。それがずっと両国の方から、二つずつ四つ規則正しい、隔たりを持ってついている。先に立った足跡は、つま先よりもかがとの方が、深く雪へ踏ん込んでいる。これはかがとへ力を入れた証拠だ。背後の足跡はこれと反対に、つま先が深く雪へはいっている。これはつま先へ力を入れた証拠だ。ところで駕籠舁きという者は、先棒担ぎはきっと反る。反って中心を取ろうとする。自然かがとへ力がはいる。しかるに後棒はこれと反対に、前へ前へと身を屈める。そうやって先棒を押しやろうとする、だからつま先へ力がはいる。でこの四つの足跡は、駕籠舁きの足跡に相違ない。ところで駕籠舁きのその足跡は、ここまでやって来て消えている。……と思うのは間違いで、河に向かった土手の腹に、非常に乱暴についている。