Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ひまわりのめ

向日葵の眼

野村 胡堂

Leggi 向日葵の眼 (ひまわりのめ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8919 caratteri · 18 schermate

Aozora Bunko

「麗子さん、これにはキット深いわけがあるんだワ、お母様だって、まだ何処かで、貴方が助けて上げるのを待って入らっしゃるのかもわからないし、北海道なんかへ行って仕舞う時じゃないと思うワ」

「そうでしょうか、加奈子さん、じゃ私は何うすればいいでしょう」

「待ってらっしゃい、秘密はキット此指環にあるワ、虫眼鏡でなくたって、凸レンズの代りをするものならいいわけでしょう、これはどうでしょう」

加奈子は自分の蟇口から、穴の明いた十銭白銅を一枚取り出しました。

直ぐ近くにある水道の口から、指の先へ水を一滴受けて来て、それを十銭の白銅貨の穴へ滴し込むと、水の滴りがそのまま穴を塞いで簡単なレンズが出来上ります。

「毛細管の現象で、凸レンズになるわけよ、指環を拝借――」

指環を受取って、十銭玉のレンズを通して見た加奈子は、思わず吹き出してしまいました。

「プッ、反って小さく見えるワ、――私は何んという馬鹿でしょう、同じ毛細管の現象でも、これは凹レンズよ、穴の大きさに比べて、水が少なかったんだワ」

もう一度その上へ水を滴し込んで、水の膜を真ん中で盛り上るようにさせた上、一生懸命十銭玉の穴から、指環の文字を覗いて居た加奈子は、思わず喜びの声をあげました。