Classici giapponesi con furigana
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ノンセンス
呑仙士
夢野 久作
Leggi 呑仙士 (ノンセンス) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2104 caratteri · 5 schermate
「気色の悪い。早く起してお遣んなさいよ。モウ十時ですよ」
「イヤ。俺が起しに行っちゃ工合が悪い。お前、起して来い」
「嫌ですよ。馬鹿馬鹿しい」
「でもあいつが起きなきゃあ、俺が二階へ上る事が出来ない。洋服も煙草も二階へ置いて来ちゃったんだ」
「困るわねえ」
「弱ったなア」
そのうちに二階の男が起きたらしくゴトゴトと物音がし始めた。
……と思ううちに突然、百雷の落ちるような音を立てて、一気に梯子段を駈け降りた。玄関で自分の靴に足を突込むと、バタバタと往来へ走り出て、いずこともなく消え失せて行った。
夫婦は眼を丸くして顔を見合わせた。
腹を抱えて笑い出した。
「よかったわね、ホホホホ」
「アハハハ。ああ助かった。奴さん気まりが悪かったんだぜ」
「それよりも早く二階へ行って御覧なさいよ。何かなくなってやしないこと……」
松石君の古いカンカン帽が、その日から新しくなった。昨夜の親友が間違えて行ってくれたものだったという話。
同じ社友で、国原三五郎というのがいる。これに準社友の芋倉長江画伯を取り合わせると古今の名コンビで、弥次喜多以上の悲惨事を到る処に演出する。
大正何年であったか正月の三日に、国原がフロックコートで初出社をすると、左手の甲に仰山らしく繃帯をしている。