Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うたのたてやましんじゅういっきょく

唄立山心中一曲

泉 鏡花

Leggi 唄立山心中一曲 (うたのたてやましんじゅういっきょく) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.835 caratteri · 61 schermate

Aozora Bunko

ところで、椅子はまだ二三脚、何だか、こちとらにゃ分らねえが、ぴかぴか機械を据附けた卓子がもう一台。向ってきちんと椅子が置いてあるが、役人らしいのは影も見えねえ。

ははあ、来る道で、向の小山の土手腹に伝わった、電信の鋼線の下あたりを、木の葉の中に現れて、茶色の洋服で棒のようなものを持って、毛虫が動くように小さく歩行いている形を視た。……鉄砲打の鳥おどしかと思ったが、大きにそんなのが局員の先生で、この姉さんの旦那かも知れねえよ。

が何しろ留守だ。

(鋳掛……錠前直し。)……

と崖ぶちの日向に立ったが、紺足袋の繕い。……雪の襟脚、白い手だ。悚然とするほど身に沁みてなりませんや。

遥に見える高山の、かげって桔梗色したのが、すっと雪を被いでいるにつけても。で、そこへまず荷をおろしました。

(や、えいとこさ。)と、草鞋の裏が空へ飜るまで、山端へどっしりと、暖かい木の葉に腰を落した。

間拍子もきっかけも渡らねえから、ソレ向うの嶽の雪を視ながら、

(ああ、降ったる雪かな。)

とか何とか、うろ覚えの独言を言ってね、お前さん、

(それ、雪は鵝毛に似て飛んで散乱し、人は鶴を着て立って徘徊すと言えり……か。