Classici giapponesi con furigana
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ラマのゆくえ
喇嘛の行衛
国枝 史郎
Leggi 喇嘛の行衛 (ラマのゆくえ) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.238 caratteri · 21 schermate
五
「陛下が露台からご会釈のあった信心深かそうな老夫婦は、どういう身分の者でございましたろう!」
すると青年は愉快そうに初めて声を立てて笑ったが。
「流石の君にも是ばかりは考え付くまいと思うがね……あれは此僕の両親なのさ、血肉を分けた本当の親だ」
ホートンは驚きの表情を素直に顔に浮かべながら、
「それにしても何処でご両親を発見なされたのでございましょう!」
「拉薩の市の茶店でね」
「それでは陛下は茶店などへおいで遊ばしたのでございますか!」
「そうだ、時々夜行った。琅玉が宮中へ上がってからは、僕の窮屈な境遇にひどく同情してくれて、便宜を計ってくれたからね。僕は賤民に変装して茶店や酒場へ入り込んだものだ」
「しかし何うして老人夫婦をご両親だと知りましたか!」
青年は、すると、無言のまま左右の腕を捲くり上げた。清らかな左右の二の腕の上に、描いたように鮮かに宝塔と白象との絵姿が別々に浮き出ているではないか! それは痣ではあったけれど、痣であるだけに不思議である。
五
青年は徐ろに説明した。
「斯ういう痣があればこそ僕は民間から攫らわれて喇嘛の高位に登ったのだ。そしてこの痣のあることは長老以外には誰も知らない。