Classici giapponesi con furigana
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きつえんへき
喫煙癖
佐左木 俊郎
Leggi 喫煙癖 (きつえんへき) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1988 caratteri · 5 schermate
札幌の場末の街、豊平を出た無蓋二輪の馬車が、北を指して走っている砂利道を、月寒の部落に向けてがたごとと動いて行った。
馬車の上には二人の乗客が対い合って乗っていた。二人とも、いずれも身すぼらしい身装で、一人は五十近い婆さんであった。一人はやはり、同じ年ごろの爺さんであった。
爺さんは引っ切りなしに、煙草を燻らしていた。その煙がどうかすると、風の具合で、婆さんの顔にかかった。婆さんはそのたびに横を向いて、その煙を避けようとした。
「これはどうも、貴女の方へばかり、煙を吹きかけるようで……」
爺さんは軽く頭をさげながら言った。しかし、爺さんは、やはりそのまま煙草を吸い続けるのだった。
「煙がかかってようござんすよ。かまいませんよ。煙草の好きな方は仕方がございませんもの。」
婆さんは微笑をもって言うのだった。
「私はどうも、眼を開いている間は、煙草をどうしてもはなせませんのでなあ。」
爺さんはそう言って、今度は紺碧の大空に向けて煙を吐きあげた。
「煙草の好きな方は、夜中に眼を覚ましても、床の中で一服するそうですからね。」
「私のは、それはそれは、それどころじゃないんです。