Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
よんじゅうはちにんめ
四十八人目
森田 草平
Leggi 四十八人目 (よんじゅうはちにんめ) di 森田 草平 (もりたそうへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.183 caratteri · 112 schermate
眼を瞑って死の関門へ飛びこむことは易い。難かしいのは、それよりも死の関門に到るまでの道程だ。死の関門を正視しながら、眼を開いてその中へ飛びこむだけの用意をすることだ。俺はこれまでそのためにあらゆる苦しみを嘗めてきた。死に到る道程の全部を歩いてきた。全部を経験してきた。それは同志の中の何人も知らないような焦熱地獄の苦しみであった。おお、俺はそれだけでも許さるべきではないか。他人は何とも言わば言え、俺は俺自身に対して言訳が立つのではあるまいか」
こう考えてきた時、彼にはそれが動かすべからざる真理のような気がして、やや落着いてきた。で、雪の積った街路の上をじっと見詰めていたが、何と思ったか、またふらふらと立って歩きだした。
「考えてみれば」と、彼はまた歩きながら呟いた。「横川も言ったように、頭領大石が討入の日をこんなに延び延びにされたのもよくない。俺が死の苦しみを日々に嘗めてきたのも、そのためだ。最後にこんなことになってしまったのも、そのためだと言わば言われないこともない! もし仇討がこの春決行されたら、百二十余名の同志があったはずだ。七十名に余る落伍者の中には、俺と同じように苦しんだものもあったに相違ない。