Classici giapponesi con furigana
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よっかのあやめ
四日のあやめ
山本 周五郎
Leggi 四日のあやめ (よっかのあやめ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.200 caratteri · 38 schermate
――主税介は突然おどかされた人のように、眼をみはって妻を眺めた。まるで子供みたようなやつだ。と彼は思った。
――四日のあやめか。
と心の中で彼は呟いた。主税介が千世との縁談を承諾したとき、江木重三郎がそう云った、「妹の気性のなかには、ひとところいつまでも育ちきらないところがある。私は四日のあやめと名付けているが、それは欠点でもあるし良いところでもあるように思う」兄の眼だから不正確かもしれないが、そこを認めてやってもらいたいと重三郎は云った。六日の菖蒲ということはあるが、四日の菖蒲とは初めて聞くので、主税介はいまでも覚えていた。
「私が悪かった」と主税介は云った、「あやまる、勘弁してくれ」
千世の泣き声がちょっと低くなった。
「だが、――これはもう云ってもしようのないことだが、云っておく」と主税介は続けた、「おまえはおれに法度をやぶらせないために黙っていたと云った、慥かに、私闘は固く禁じられている、それは主持ちの侍の守るべき道だ、しかし、男としてはべつに男の道というものがある、或るばあいにはそれは侍の道より大切なものだ」
千世は泣きやんだ。泣きやんで、泣きじゃくりをしながら、良人の言葉を熱心に聞いていた。