Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とさのくにばしら

土佐の国柱

山本 周五郎

Leggi 土佐の国柱 (とさのくにばしら) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.375 caratteri · 35 schermate

Aozora Bunko

遠くから姿こそ見たが、近寄って顔を合せるのも初めてだし、むろん言葉を交わすのも初めてである。小弥太の思い切った態度に遭って、小百合は僅に反抗しながらも、それ以上どうすることも出来ない圧迫を感じて、あとはただ噎びあげるだけだった。

「もう大丈夫ですよ」

小弥太が家へ伴れ戻ると、……広縁に母親の亀女が立っていた。

「どうしたのですか、小弥太」

「小百合どのが折檻されていたので、まあ預って来たのです。……小百合どの、母です」

「御挨拶はあとにして」

と亀女は振返って、

「おかよ洗足の水を取っておくれ。……あなた、どうぞ向うへお廻りなされませ。お父上には小弥太からお詫びをさせましょう。さあ、遠慮をなさらずにどうぞ」

「……お恥ずかしゅう存じます。お言葉に甘えまして、それでは……」

小百合はようやく泪を押えながら、洗足をとりに廻って行った。

「母上、眼を離さぬように願います」

小弥太は囁くように云った。

「ひどく思い詰めている様子ですから」

「いったいどうしたという訳です。……親しくせぬ高閑さまへ、勝手に生垣を越えて行ったり、お嬢さまを無理にお伴れ申したり、……おまえの仕方は、不作法ですよ」