Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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トソンラン

土城廊

金 史良

Leggi 土城廊 (トソンラン) di 金 史良 (きむさりゃん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.752 caratteri · 52 schermate

Aozora Bunko

だが彼は何かを思い切ったようにのっそりと近寄って行った。そして先達の土幕の前に立ちはだかると静かな重苦しい声で呟いた。

「どいてくれ」

不幸のおこりは倉庫の仕事が他の労働者達に発見されたためだった。四時頃から人の目を憚って息も細々に三十余名で始まった仕事は、朝日がちらちら洩れ込む頃にはもう大分捗っていた。貯蔵穀物の三分の一以上を崩してしまえば、誰ももう後から入れて貰うことは出来ない。

所が朝の七時頃、遅ればせにそれがいくらかの組合員達に見附かったのだ。倉庫の仕事は元来滅多にないようないい稼ぎ口なので、それに抜かれてあぶれてみれば憎悪と嫉妬の念に駆り立てられ殺気立つのも無理はなかった。それで三十名余りはただ頭も上げられずに、皆の白眼や罵りの中を小さくなって立ち廻っていた。二人が掛声も抜きに、一人に籾俵を背負わせると、その男は電気の持ち役に足元を照らされつつ長い踏板を伝って下りて行く。云うまでもなく先達はいよいよ浮足立っていた。始めからこの仕事に参加する資格のない彼である。それが体さえ弱いために電気の役に廻っていることだけでも二重三重心苦しいのに、組合員まで現われて来て喚き散らすからである。