Classici giapponesi con furigana
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ちじょう
地上
島田 清次郎
Leggi 地上 (ちじょう) di 島田 清次郎 (しまだせいじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 175.250 caratteri · 350 schermate
その苦しい沈黙と静寂を、室の横手で火の出るような哄笑が破った。声は米子と市子のたまらない、堪えきれなくなって発した笑いらしかった。大方忍び足で平一郎のあとをついて来て身をひそめていたのが、こらえきれなくなった笑いであろう。
「誰だ!」
するとまた、たまらなそうな、熱情的な笑いが破れて、廊下を逃げてゆく乱れた足音が響いて来た。
「くそ、悪戯をしやがる」平一郎は腹立たしい、自分の領分へ侵入されたような不快を感じた。寂しくなって来た。自分のおちぶれたことが瞭りして来て、彼は涙を止められなかった。
「えらくなるぞ! えらくなるぞ!」涙のうちから踴躍するは、ただこの言葉のみだった。
彼は和歌子に送った。
ぼくの家は今日から廓の春風楼へ引っ越しました。随分とつぜんで驚かれることと考えます。また何故こんな家へ移ったのかと不思議に思われるでしょう。正直のところぼくの家が貧乏で今までのようにしていてはぼくが学校へ出れないからなのです。春風楼の冬子ねえさんはぼくの母の仲よしで、今度もその人の世話になったのです。いい人です。ぼくはあなたに一度どうかして見せたいと思います。なおぼくはたとえ廓のなかに住居していてもぼくの精神はつねにつねに偉大であり真実でありたいと思っています。