Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
長蔵さんは自分が黙って橋の向を覗き込んでるのを見て、
「好いかね、御前さん、大丈夫かい」
とまた聞き直したから、自分は、
「好いです」
と明瞭に答えたが、内心あまり好くはなかった。なぜだかしらないが、長蔵さんはただ自分にだけ懸念がある様子であった。赤毛布と小僧には「好いかね」とも「大丈夫かい」とも聞かなかった。頭からこの両人は過去の因果で、坑夫になって、銅山のうちに天命を終るべきものと認定しているような気色がありありと見えた。して見ると不信用なのは自分だけで、だいぶ長蔵さんからこいつは危ないなと睨まれていたのかも知れない。好い面の皮だ。
それから四人揃って、橋を渡って行くと、右手に見える家にはなかなか立派なのがある。その中で一番いかめしい奴を指して、あれが所長の家だと長蔵さんが教えてくれた。ついでに左の方を見ながら
「こっちがシキだよ、御前さん、好いかね」
と云う。自分はシキと云う言葉をこの時始めて聞いた。
よっぽど聞き返そうかと思ったが、大方これがシキなんだろうと思って黙っていた。あとから自分もこのシキと云う言葉を明瞭に理解しなければならない身分になったが、やっぱり始めにぼんやり考えついた定義とさした違もなかった。