Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

袖のないどてらだから、入れ所に窮して腹掛の隠しへでも捩じ込んで置くものと見える。

「ありがとう、たくさんです」

と断ると、どてらは別に失望の体もなく、自分でかたまったうちの一本を、爪垢のたまった指先で引っ張り出した。はたせるかな煙草は皺だらけになって、太刀のように反っている。それでも破けた所もないと見えて、すぱすぱ吸うと鼻から煙が出る。際どいところで煙草の用を足しているから不思議だ。

「御前さん、幾年になんなさる」

どてらは自分の事を御前さんと云ったり君と云ったりするようだが、何で区別するんだか要領を得ない。今までのところで察して見ると、儲かるときには君になって、不断の時には御前さんに復するようにも見える。何でも儲かる事がだいぶん気になっているらしい。

「十九です」

と答えた。実際その時は十九に違なかったのである。

「まだ若いんだね」

と口のゆがんだ神さんが、後向になって盆を拭きながら云った。後向きだから、どんな顔つきをしているか見えない。独り言だかどてらに話しかけてるんだか、それとも自分を相手にする気なんだか分らなかった。するとどてらは、さも調子づいた様子で、