Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

すると他の坑夫が、すぐ、返事をした。

「しようのねえ奴だな。親分を知らねえのか。親分も兄弟分も知らねえで、坑夫になろうなんて料簡違えだ。早く帰れ」

「親分も兄弟分もいるから、だから、儲けようたって、そう旨かあ行かねえ。帰れ」

「儲かるもんか帰るが好い」

「帰れ」

「帰れ」

しきりに帰れと云う。しかも実際自分のためを思って帰れと云うんじゃない。仲間入をさせてやらないから出て行けと云うんである。さぞ儲けたいだろうが、そうは問屋で卸さない、こちとらだけで儲ける仕事なんだから、諦めて早く帰れと云うんである。したがってどこへ帰れとも云わない。川の底でも、穴の中でも構わない勝手な所へ帰れと云うんである。自分は黙っていた。

この形勢がこのままで続いたら、どんな事にたち至ったか思いやられる。敵はこの囲炉裏の周囲ばかりにゃいない。さっきちょっと話した通り、向うの方にも大きな輪になって、黒く塊っている。こっちの団体だけですら持ち扱っているところへ、あっちの群勢が加勢したら大事である。自分は愚弄されながらも、時々横目を使って、未来の敵――こうなると、どれもこれも人間でさえあれば、敵と認定してしまう。