Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

まことに無邪気の極で、また冷刻の極である。

「金しゅう、どうだ、見えたか、面白いだろう」

と云ってる。病人は、

「うん、見えたから、床ん所まで連れてって、寝かしてくれよ。後生だから」

と頼んでいる。さっきの二人は再び病人を中へ挟んで、

「よっしょいよっしょい」

と云いながら、刻み足に、布団の敷いてある所まで連れて行った。

この時曇った空が、粉になって落ちて来たかと思われるような雨が降り出した。ジャンボーはこの雨の中を敲き立てて町の方へ下って行く。大勢は

「また雨だ」

と云いながら、窓を立て切って、各々囲炉裏の傍へ帰る。この混雑紛に自分もいつの間にか獰猛の仲間入りをして、火の近所まで寄る事が出来た。これは偶然の結果でもあり、また故意の所作でもあった。と云うものは火の気がなくってははなはだ寒い。袷一枚ではとても凌ぎ兼ねるほどの山の中だ。それに雨さえ降り出した。雨と云えば雨、霧と云えば霧と云われるくらいな微かな粒であるが、四方の禿山を罩め尽した上に、筒抜けの空を塗り潰して、しとどと落ちて来るんだから、家の中に坐っていてさえ、糠よりも小さい湿り気が、毛穴から腹の底へ沁み込むような心持である。