Classici giapponesi con furigana
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こうふ
坑夫
Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate
その時初さんは、笑いながら、下から、自分に向って、
「おい、そう真面目くさらねえで、早く下りて来ねえな。日は短えやな」
と云った。坑の中でカンテラを点けた、初さんはたしかに日は短えやなと云った。
自分が土の段を一二間下りて、初さんの立ってる所まで行くと、初さんは、右へ曲った。また段々が四五間続いている。それを降り切ると、今度は初さんが左へ折れる。そうしてまた段々がある。右へ折れたり左へ折れたり稲妻のように歩いて、段々を――さあ何町降りたか分らない。始めての道ではあるし、ことに暗い坑の中の事であるから自分には非常に長く思われた。ようやく段々を降り切って、だいぶ浮世とは縁が遠くなったと思ったら急に五六畳の部屋に出た。部屋と云っても坑を切り広げたもので、上と下がすぼまって、腹の所が膨らんでいるから、まるで酒甕の中へでも落込んだ有様である。あとから分った話だが、これは作事場と云うんで、技師の鑑定で、ここには鉱脈があるとなると、そこを掘り拡げて作事場にするんである。だから通り路よりは自然広い訳で、この作事場を坑夫が三人一組で、請負仕事に引受ける。二週間と見積ったのが、四日で済む事もあり、高が五日くらいと踏んだ作事に半月以上食い込む事もある。