Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

その片側がカンテラの灯できらきらと光るかと思うと、すぐ落ちついてもとに帰る。せっかく平になった上をまたぴちゃりと踏み荒らす。魚の鰭がまた光る。こう云う風にして、奥へ奥へと這入って行くと、水はだんだん深くなる。ここを潜り抜けたら、乾いた所へ出られる事かと、受け合われない行先をあてにして、ぐるりと廻ると、足の甲でとまってた水が急に脛まで来た。この次にはと、辛抱して、右に折れると、がっくり落ちがして膝まで漬かっちまう。こうなると、動くたんびにざぶざぶ云う。膝で切る波が渦を捲いて流れる。その渦がだんだん股の方へ押し寄せてくる。全く危険だと思った。ことによれば、何かの原因で水が出たんだから、今に坑のなかが、いっぱいになりゃしないかと思うと急に腰から腹の中までが冷たくなって来た。しかるに初さんは辟易した体もなく、さっさと泥水を分けて行く。

「大丈夫なんですか」

と後から聞いて見たが、初さんは別に返事もしずに、依然として、ざぶりざぶりと水を押し分けて行く。自分の考えるところによると、いくら銅山でも水に漬かっていては、仕事ができるはずがない。こうどぶつく以上は、何か変事でもあるか、または廃坑へでも連れ込まれたに違いない。