Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

こうふ

坑夫

夏目 漱石

Leggi 坑夫 (こうふ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.690 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

どころじゃない儲主義は大いに軽蔑していた。日本中どこへ行ってもそのくらいな考えは誰にもあるだろうくらいに信じていた。だからどてらがさっきから儲かる儲かると云うのを聞くたんびに何のためだろうと不思議に思っていた。無論癪には障らない。癪に障るような身分でもなし、境遇でもないから、いっこう平気ではいたが、これが人間に対する至大の甘言で、勧誘の方法として、もっとも利目のあるものだとは夢にも想い至らなかった。そこで、どてらから笑われちまった。笑われてさえいっこう通じなかった。今考えると馬鹿馬鹿しい。

一種特別な笑い方をしたどてらは、その笑いの収まりかけに、

「お前さん、全体今まで働いた事があんなさるのかね」

と少し真面目な調子で聞いた。働くにも働かないにも、昨日自宅を逃げ出したばかりである。自分の経験で働いた試しは撃剣の稽古と野球の練習ぐらいなもので、稼いで食った事はまだ一日もない。

「働いた事はないです。しかしこれから働かなくっちゃあならない身分です」

「そうだろう。働いた事がなくっちゃ……じゃ、君、まだ儲けた事もないんだね」

と当り前の事を聞いた。自分は返事をする必要がないから、黙ってると、茶店のかみさんが、菓子台の後から、